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2026年8月13日

小さな会社は、いくらで売れるのか

会社の値段というと、難しい計算式を想像するかもしれません。実際、上場企業の買収ではそういう世界です。でも年商数千万〜数億円の会社の売買は、もっと素朴な相場観で動いています。

相場観は「実質利益の2〜3年分+資産」

小規模なM&Aでよく使われる目安はこうです。

会社の値段 ≒ 実質利益の2〜3年分 + 資産の時価

ポイントは「実質利益」の意味です。決算書の利益そのものではありません。役員報酬を足し戻した数字を見ます。小さな会社は節税のために社長の給料で利益を調整していることが多いので、決算上の利益が薄くても、社長がしっかり報酬を取っていれば、会社の稼ぐ力は見た目より大きい。買い手はそこを見ます。

たとえば決算上の利益はトントン、でも社長が年800万円の報酬を取っている会社。買い手から見たこの会社の実質利益は800万円前後で、そこに2〜3年分の掛け目がつく、という見方をします。

値段を下げる最大の要因は、社長自身

同じ利益の会社でも、値段は大きくブレます。ブレさせる最大の要因は、皮肉なことに社長の優秀さです。

顧客との関係が全部社長の頭の中にある。値決めは社長の勘。現場のトラブルは社長が出れば収まる。こういう会社は、社長が抜けた瞬間に価値が消えるので、買い手は怖くて値段をつけられません。属人性、と呼ばれるやつです。

逆に値段を上げる要因は、地味なものばかりです。

磨く1〜2年には、はっきり値段がつく

ここから導かれる結論は一つで、会社の値段は出口の直前でも変えられるということです。

頭の中の勘所を文書にする。任せられる仕事を任せる。口約束を契約書にする。1〜2年かけてこれをやるだけで、「値段がつかない会社」が「実質利益の2〜3年分で売れる会社」に変わることがあります。年800万円稼ぐ会社なら、その差は千万円単位です。時給に換算すると、社長人生でいちばん割のいい仕事かもしれません。

売る気がなくても、この作業は無駄になりません。属人性の低い会社は、続けるのも楽になるからです。

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