2026年8月13日
廃業を決めてから、会社が消えるまでの流れ
会社を畳むと決めたら、次に知りたいのは「で、何をどの順番でやるのか」だと思います。株式会社の場合、流れは法律でほぼ決まっています。先に全体を見ておくと、途中で慌てずに済みます。
大きくは5段階
| 段階 | やること | 頼む相手 |
|---|---|---|
| 1. 解散の決議 | 株主総会で解散を決める。清算人(ふつうは社長)を選ぶ | — |
| 2. 解散の登記 | 法務局に解散と清算人選任を登記する | 司法書士 |
| 3. 官報公告 | 「会社を畳みます。債権者は申し出てください」と官報に載せ、2ヶ月待つ | — |
| 4. 清算 | 売掛金を回収し、借金を返し、資産を現金に換え、残りを株主に分配する | — |
| 5. 清算結了の登記と最後の申告 | 清算結了を登記し、税務署に最後の申告をする。ここで会社が消滅 | 司法書士・税理士 |
3の官報公告のあとの2ヶ月は、債権者を守るための待機期間で、短縮できません。つまりどんなに段取りよく進めても、会社が消えるまで最短2ヶ月以上。実務では、資産の処分や税務のやり取りも含めて半年ほど見ておくのが現実的です。
手続きの前後にある「実務の山」
登記や申告は専門家に投げられますが、投げられない仕事が周りにあります。むしろこちらが本体です。
- 従業員への説明と、解雇または再就職の支援
- 取引先への連絡と、仕掛かり中の仕事の引き継ぎ
- 在庫・設備・車両の売却か処分
- 事務所や店舗の解約と原状回復
- リース・借入・保証の精算
この山をどれだけ余裕をもって越えられるかで、手元に残るお金と、残る人間関係が決まります。畳む期日から逆算して、1年前後の助走を取るのが理想です。
費用と、使える制度
専門家に一式頼んだ場合の実勢は27〜44万円。内訳や安く抑える考え方は別の記事に書きました。事業承継・引継ぎ補助金には廃業をともなう再スタートの支援枠があるので、着手前に確認しておくと戻ってくるお金があるかもしれません。
それと、これは最後にしつこく言っておきます。この記事の手順は「畳むと決めた後」の話です。決める前なら、まだ確かめることがあります。2025年に畳んだ会社の半分は黒字でした。売れる会社を、わざわざお金を払って消すことはありません。